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企業Xと企業Yが,互いに競合する商品を販売しようとしている.両社は,販売する商品の特性を,ある程度の範囲の中から選ぶことが可能である.また,消費者の好みもさまざまである.この状況での企業の戦略決定を,次のモデルで考えてみよう.企業Xが販売する商品の特性をx,企業Yが販売する商品の特性をy,消費者の好みをtで表す.ただし,それぞれのとり得る値の範囲は,0≦x≦1,0≦y≦1,0≦t≦1とする.企業XとYは,まず,特性xとyをそれぞれ決めるものとする.その結果は公表され,各企業は,相手の企業が決めた特性も知るものとする.以下,x<yの場合に限定して考察する.第2段階として,企業Xは販売する商品の1個あたりの販売価格p(円)を決め,同様に企業Yはq(円)を決める.ただし,販売価格のとり得る値の範囲は,p>0,q>0とする.一方,好みtを持つ消費者は,自分の好みと商品の特性および販売価格を考え合わせて,次のように商品を選択して購入するものとする.この消費者にとっての企業Xの商品の価値V_Xと企業Yの商品の価値V_Yが,Uとcを正の定数として,V_X=U-p-c(t-x)^2,V_Y=U-q-c(t-y)^2で定まるものとし,消費者は,自分にとっての価値が大きい方の商品を選択するものとする.問題の複雑化を避けるため,もし価値が等しければ,企業Xの商品を選択するものとする.また,いずれの場合でも,消費者は,選択した商品を必ず購入するものとする.以下の設問において,太線の四角による表示のある問い,例えば[(52)]や[(53)]など,に対してはx,y,p,q,cのいずれかの文字が入る.xを入れる場合は1,yならば2,pならば3,qならば4,cならば5と解答しなさい.(1)消費者の選択に関する仮定から実数\overline{t}が定まり,好みtを持つ消費者は,t≦\overline{t}であれば企業Xの商品を選び,t>\overline{t}であれば企業Yの商品を選ぶことがわかる.\overline{t}の値をx,y,p,q,cを用いて表すと,\frac{[(52)]+[(53)]}{[(54)]}+\frac{1}{[(55)][(56)]}・\frac{[(57)]-[(58)]}{[(59)]-[(60)]}となる.(2)次に,企業の売上高に相当する値を定める.はじめに記したように,消費者の好みはさまざまであり,その好みが0と1の間に分布していると考えている.その分布の仕方を特定すれば,各消費者の選択を集約することにより,各企業の売上高を定めることができる.ここでは,企業Xの売上高に相当する評価値T_Xと,企業Yの売上高に相当する評価値T_Yを,T_X=p\overline{t},T_Y=q(1-\overline{t})と定め,これらの評価値を最大化する問題に置き換えて考える(ただし,\overline{t}は(1)で求めたものである).もう少し詳しく記すと,第2段階における,x<yであることを前提とした価格設定がどのようになるかをまず調べ,その決定の仕方を考慮に入れて,評価値が最大になる商品の特性を求める,という問題をいくつかのステップに分けて考える.まず,T_Xをpの関数と考える.ここで,T_Xをpの関数と考えるということは,T_Xの式の中に含まれるp以外の文字,すなわちx,y,q,cはすべて定数と考える,ということである.この点に注意して,T_Xが最大値をとるpの値をx,y,q,cを用いて表すと,\frac{[61]}{[62]}+\frac{[63]([64]+[65])([66]-[67])}{[68]}となる.(3)同様にして,T_Yをqの関数と考え,T_Yが最大値をとるqの値をx,y,p,cを用いて表すことができる.(2)の結果と合わせると,pとqについての連立1次方程式が得られる.この連立方程式の解を\overline{p}と\overline{q}とすると,p=\overline{p},q=\overline{q}において,T_Xはpの関数として最大値をとり,同時に,T_Yはqの関数として最大値をとることがわかる.\overline{p}の値をx,y,cを用いて表すと,\frac{[69]}{[70]}([71]-[72])([73]+[74]+[75])となり,\overline{p}と\overline{q}に対する\overline{t}の値は,\frac{[76]}{[77]}+\frac{[78]+[79]}{[80]}と表される.(4)最後に,各企業の価格決定が今求めた\overline{p}と\overline{q}になることを前提として,企業Xは商品の特性xを以下のように決定する.まず,p=\overline{p},q=\overline{q}として,T_Xをxの関数と考える.次に,この関数T_X=f(x)が最大値をとるxの値を求める.その値を\overline{x}とする.ここで,関数T_X=f(x)のグラフの概形を座標平面に描きなさい.ただし,関数の極値および極値をとるxの値を明記する必要はありません.(5)企業Yもまったく同様にして,p=\overline{p},q=\overline{q}とし,T_Yをyの関数と考えて,その関数が最大値をとるyの値を求める.その値を\overline{y}とする.\overline{x}と\overline{y}が決まれば,それらに対する\overline{p}と\overline{q}も確定する.これらの値の組は与えられた仮定を満たし,企業XとYにとって,お互いに最適な戦略決定になっている.最終的に求められた\overline{x},\overline{y},\overline{p},\overline{q},\overline{t}それぞれの値をcを用いて表せ.
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